アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

ギター遍歴7~Takmine NTP-012BSのこと~

5代目モーリスW-20は、マーチン社D-28のコピーモデルです。
70年代製造だったと記憶しています。当時のWシリーズの型番は、
定価を表しており、発売当時2万円の機種ということ。
これがなかなか良くできたギターで、低価格帯のギターとしては、
演奏性&耐久性に優れたものでした。

院生生活も終盤の昼下がり、有線テレビに僕は釘付けになりました。
長渕剛の東京ドーム・ライブの映像です。
ギターの師匠とあがめる先輩から「長渕弾くんだったら、ギター教えたる」
という、新興宗教の勧誘でもそんなマネはせんやろ的な洗脳を受けてました。
結果、スリーフィンガー奏法といえば、反射的に「夏祭り」みたいな
ナガブチな人になっちゃったんですな。

さて、その映像のなかで使用されているのが、タカミネのギターです。
そう、質屋でバイトをしていた友人が手に入れた「鳴るエレアコ」です。
ビデオデッキを持っていなかった僕の脳みそに、ちゃんとインプットされました。

その春、僕は東京で就職し、西調布にアパートを借ります。
隣町の調布駅前のパルコに楽器屋がありまして、くだんのタカミネ君を
見つけるのです。定価10万円…た、たけぇ。
しかし、恐ろしきは貧乏人にあぶく銭。
いや働いた金ですから、由緒正しきお金ですがね、冬のボーナスを
ほぼ全額突っ込んで買いましたよ。これが6代目のギター。

一切の装飾がなく、ネックにはフレット数を表すインレイすらありません。
そんな無骨さに惚れたんです。音はジャリッとして良い感じ。
強いていえば、骨太クリアなPU乗りの良い音で、
倍音とふくよかさは犠牲になってる「弾き倒したるでぇーゴルァァ~~」な音です。

これで狭いアパートに、5代目+6代目の2台が並びました。
今から考えれば、「ああ、この頃はまだ真っ当な人間だな」と思います。
このTakmine NTP-012BSの「お客様登録ハガキ」を投函したことが、
僕のギター・ライフをマニアな領域へ誘うのでした。つづく。