アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

ギター遍歴9~Martin D28のこと~

ギター専門誌を手にして知ったこと。
すでに7台のギターを手にしてたにも関わらず、である。
「米国様のギターは良いらしい」、
「木材によって音が変わるらしい」、
「まーちんとぎぶそんが王道らしい」。
ステレオタイプ(事実の如何に関わらず、一般的に思い込まれている常識)です。
わかってるんですが、それすら知らなかった自分が、悔しかったんですね。
webなんて貧弱な頃ですから、そんな世界が広がってるとはつゆ知らず。
演奏技術(それもかなり偏った)の向上にしか、興味がなかったんですね。

当時はクラプトンの「アンプラグド」ブームでしたから、
おのずとMartinに興味が湧くわけです。
長渕だったらGibsonだろ、と思われるかも知れませんが、
J45のなで肩(ラウンド・ショルダー)も、逆に引っ付いたブリッジも、
J200のダルマ型もメキシコのおっさんひげ(ムスタブリッシュ・ブリッジ)も、
ハミングバードやダヴのピックガードも、全てが過剰装飾で嫌いだったんですよ。

「ギターって30万円くらいからジャナイノ?」ってな罪作りな上司の
憎まれ口も手伝って、僕は舶来モノのギターに急速に接近し始めます。
仕事も2年目に入り、社長公認の兼業を始めたこともあって、
とうとう御茶ノ水の駅に降り立ったのでした。

Martin D28。良いギターです、ほんとに。
深い、豊か、余韻。長渕ゆずりの強いピッキングが余裕で鳴ってくれる。
ネックが太いことと、テンションがやけに強いことが難点。
試奏の「夏祭り」を聴いて、店員さんがJ-200も持ってきてくれました。
弾きましたよ、だけど、頭はMartinなんだから。
これを機にギター・インストに転向しよう、
長渕君さようならってな勢いで来たんだもの。
別の店で000-28も試奏しました。鳴らねぇ…周りの雑音で音聞こえないよお。
バランス重視っつーのは勉強してきたけど、こんなサイレントなギターは、
いりませんぜ。

結局、D28を持って中央線にゆられていたのでした。
これが通算8代目のギター。
アパートにはW-20、NPT-012BS、プロトタイプの計4本が並びます。
しかしなぁ、気になってたんですよね。このとき、すでに。
Martinの輸入代理店の店員が言った言葉。

店「最近(※注:93年頃)、湿度トラブルが多くて、品質がね…。
  新品ならGibsonのほうがお奨めですね。」