アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

古いモノは高いのか?vol.1

高額ギターの王道といえば、Martinですね。

なぜ、マーチンかと申しますと、新品にせよ、
オールド&ヴィンテージにせよ、
アコギの市場が最も早くから確立されているからです。

「古いギターは、値打ちがある(に違いない)」と
誤解されている方も多いのですが、それは幻想です。

マーチンを例にとって、概観してみましょう。

【~1920年代製造】
押しも押されぬヴィンな年代ですが、何でもかんでも
高額なわけではありません。
プレーヤーが楽曲を奏でるには無理があるものが極めて多い。
どちらにしても「オブジェ」的側面があるので、
状態の良いものは博物館レベルに超高額、そうでないものは
そこそこで手に入れることができます。

【1930~40年代製造】
プリ・ウォー(戦前モノ)、特に40年代のものはゴールデン・エラ期
と呼ばれています。これらは状態の如何に関わらず、
高い値段で取引されています。最も人気が高い年代ですが、
状態の善し悪し以前に、枯渇状態なので値段が高騰しています。
ウン百万なんて言われても、そんなお金見たことないので、
イメージ湧きまへん。

【1950年代製造】
で、実際に中古市場でお目にかかれるヴィンテージはこのあたりですが、
値段も推して知るべし。オリジナルに近い仕様のものは100万超え
あたりまえで、それよりも安いものは、リ・フィニッシュ(再塗装)
やピックガード貼り換えなどがおこなわれているはずです。

【1960年代製造】
流通量も多く、プレイヤーズ・コンディションもいいので、
「実際に弾いて楽しめる」のはこのへんから。
新品かオールドか、値段的に選択対象になる年代です。
18系であれば、新品同型機種の2割増、3割増程度ですが、
28系(もちろんハカランダ)は、それではすみません。
ただし、28系ハカランダ仕様の中古(D28GE等)を買うことを考えると、
お手軽な(僕には無理)値段かもしれない。

【1970年代製造】
かのMartinであっても、このあたりから値段はがた落ちします。
特殊な仕様でない限り、新品と同じくらいの価格になっているはずです。
私たち日本人にとっては、懐かしのフォーク・ミュージシャンが
使っていた年代という付加価値があるため、新品と秤にかけて
購入する方も多いと思います。

【1980年代以降製造】
いわゆるUSEDですから、新品価格よりも安くなっている年代です。
新品の中位機種を狙うか、USED上位機種orカスタムを狙うか
という選択が可能になります。