アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

古いモノは高いのか?vol.2

Martinの市場は特殊な部類です。

別格扱いのマーチンでも、1970年以降に製造されたものは
価格が下降していくのがおわかりかと思います。

80年代後半にオールド&ヴィンテージ市場が
日本でも確立したGibsonも同様です。

Martinの新品に対して、
「今は新品でも、いづれはヴィンテージ」
という言葉で購入を奨める人もいますが、
これは明らかな間違いです。

「今は新品でも、いづれは枯れたいい音がする」とかなら
間違いではないでしょう。

しかし、ヴィンテージはある特定の年代の、しかも、
流通量が限られていた頃のものが、需要>供給の関係から
値段が上がっているのであって、
古くなれば「値段が上がる」などと考えてはいけないのです。

Martin、Gibsonのギターは、60年代以前のモノが欲しいという
消費者がいて、さらに供給が少ないからこそ、市場が確立されています。

上記以外のギターは、市場が確立されておらず、
購入価格維持がせいぜいで、ほとんどのものは古くなれば安くなるのです。

90年代に市場が確立された国産ヴィンテージもそうです。

70~80年代前半の特定機種(例えば、評価が高く生産量が少ないとか、
特定の制作者サインが入っているとか)のみ価格が上昇しています。

そのほかのものは、むしろアンティークや懐古的側面で値段が
つけられ、良くて定価維持というのが現状です。

ですから、ギターを買えば、使い続けることが「お得」なのです。