アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

裁判員制度、なのだ。

らしからぬ、僕らしからぬ記事ではある。あんまり難しい話をするつもりはない。

2009年5月までに導入される「裁判員制度」は無理なんじゃねぇ?と言いたいだけ。二十歳を超えたら誰でも「裁判員」の抽選に当たる可能性がある。見事「お~あたぁ~り~!」ともなれば、仕事を休んで裁判所に出向き、放火や殺人の審理を裁判官とともにおこなう。基本的に「大当たり」したら辞退できない。

実はこれによく似た制度がすでにあること、知ってますか?

それは「検察審査会制度」。あんまり馴染みがないし、警察と検察の違いもイマイチいう人がいるかもしれん。中学生向きの解説をしておこ。

警察官は証拠を集めて犯人を逮捕するわの。調べた書類やら身柄やらを検察に渡すまでが警察のお仕事。検察いうところは法律の勉強をした検事さんがいっぱいおっての。裁判にかけるかどうか、どうやって裁判で有罪にするかを考えるんや。場合によっては、警察官みたいに証拠集めをしたり、調書をとったりする。

検事さんがいろいろと検討した結果、「こりゃ、どうも無罪になりそうやで」とか「初犯やし、有罪でも執行猶予つくし、下手したら罰金だけで終わるかもしれん。裁判するほうが高くつくがな」みたいな場合、検察は裁判所に訴えないことがあるんや。不起訴ってやつやの。

ところが不起訴になった事件の被害者にしてみれば納得がいかんわ。そんなときは「検察審査会」いうとこに「不起訴不服申立手続き」するわけじゃ。「ワシ、こんなにつらい思いしたのに不起訴ってなんじゃい!納得いかんのじゃ!もっかい調べてみんかい」いうわけじゃの。『ナニワ金融道』っぽくなってきたの。

ほんで「検察審査会」ですわ。

選挙権をもってる国民から無作為に抽出した11人の検察審査員によって構成される「しろうと集団」。全国200カ所に審査会があるそうで、任期は6ヶ月。つまり、全国で年間4400名の審査員が選出されているという。そこで「事件の概要は○○で、検察は△△だから不起訴にしたんだけど、被害者は不服を申し立てとる。審査員のみなさん、どう思われますか?」みたいなことを数回に分けて審議する。まさしく「裁判員制度」やろ? 

数年前に、うちの嫁が当たったんである。(年賀ハガキの切手もなかなか当たらんのに)

これも基本的には辞退できない。…んだが、やっぱり来ない人がおるわけよ。だから、11名のところに15名とか呼び出しておいて実施する。それでも足りなかったら中止する。「申し立て」しても審議に1年以上かかることもあるっていうけど、それは立て込んでるんではなくて、審査会自体がメンツ不足で開けないこともあるからみたいだ。システムとして「検察審査会」ですら、崩壊してるんである。

裁判員制度でも日当や交通費が払われるという。

うちの嫁なんか、距離的にはそう遠くないが自動車は運転できんので、バスを乗り継いで行った。往復800円かかる。お役所仕事は審査会も同じで、距離換算するから交通費400円しか出てない。とりあえず、この距離ならバスより自家用車だろ?という計算である。

むしろ、この件に関して不服を申し立てたい。