アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

大量生産萌え、なのだ。

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全国を巡回していた「造形集団 海洋堂の軌跡」展は、高松市美術館を最後に9月2日、閉幕した。

初期のチョコエッグ「日本の動物シリーズ」は感動モノだし、ウルトラマン仮面ライダーのガレージキッドも良いのだけど、僕は<いわゆる>オタクではないので、萌えっぽいフィギュア系は…NG。

けれども、デザインや美術の畑で飯を食べていると、否が応でもその手の情報は入ってくるわけ。で、拒否反応を示さずに「ふむふむ」言ってると、かなり高度なオタク(芸術家や心理家さん)に知り合いが増えていく。<高度な>方々は、ちゃんと僕が引かないように配慮してくれるのでありがたい。

僕は小学校の先生になりたくて、偏差値の低い領域を受けたらそれが美術だったくらいで、デザイナーという肩書きをもつ今になっても、美術館や芸術作品に強い関心があるわけではない。あくまでも職業上必要にかられて、徐々に経験値が上がってきているという感じ。

素描や油彩は大嫌いだったし、古今東西の画家の絵を「すごい」とか「いい」とは思っても、買いたいという心理は全く理解できない。僕は「大量生産」であることに「萌え」るのである。

具体的なイメージがある。

母の実家に向かう道すがら、三歳の僕は窓の外の水島臨海工業地帯を眺めるのが好きだった。特に、出荷待ちの自動車が規則正しく、何列にも並べられた三菱自動車の駐車場は圧巻だった。駐車場とはちょっと違うか…左右前後には余分なスペースが無くて、ぎっしり詰め込まれた新車の列。

萌え~。

視覚だけではない。僕の家ではコカ・コーラは特別な飲み物で、田植えや稲刈りの手伝いにご褒美(笑)として、一本飲ませてもらえる。日頃は「歯が溶ける」の一点張り。日清カップヌードルもそうだし、ボンカレーも「身体に悪い」と言われ続けた。本当は生活に余裕がなかったからなんだけどね。

だから、コカコーラ、カップヌードルボンカレー。萌え~~~。

大量生産、工業製品、萌え~~~。

ギターも基本的にはルシアー(個人製作家)モノよりメーカーモノが好き。

自分が作ったポスターや書籍が、数千数万と複製されるデザイン。萌なんだろうな、たぶん。