アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

ウメダくんに魅せられて、なのだ。

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70年代後半の歌謡曲は、今から考えるとセクシーなものが多かったようにおもう。

ジュディ・オングの「魅せられて」(1979年)は大ヒット。「チャラららららラン、ダダだだだだダン」とくれば、大人も子どもも「キターーー!」だったんである。

松坂慶子の「愛の水中花」(1979年)もヒットしたし、黒沢年男の「時には娼婦のように」(1978年)も今なら確実に放送自粛曲なわけだが、ベストテンで歌ってたもんね。社会的におおらかというか、ゆるかった。

小学5年生のときの転校生ウメダヒデキくんは「魅せられて」にとことん魅せられていた。

「おたのしみ会」という名の学活で、ウメダくんはそのセクシーな曲を合唱しようと提案するほど魅せられていた。女子に却下されてしまったが、ある意味、ウメダくんはほんとうに「おたのしみ」だったんかもしれない。笑)

そんなウメダくんは、授業中なんどもこっそり教室を抜け出すことがあった。

当時は今と違って「管理教育」のご時世だから、そんなヤツ珍しかったし、なぜか先生も放っておく。。。今にして思えば、いわゆる学習障害だったのかなと思う。なんにしても変わってる転校生で、あんまり話さない子だった。

図工のざわついた時間に、ウメダくんがまた抜け出した。

僕とユウジくんはこっそりと抜けだし、あとをつける。。。ウメダくんはトイレに駆け込んでいく。僕たちは色めき立った。あいつ、いつも授業を抜け出して、便所に行ってたのか、と。小学生はうんこ好きである。

ウメダくんがトイレの「個室」に入っていることを確認した僕らは、やらなきゃいいのにイタズラしようと考えて、こっそり戸の前まで進んでいった。そのとき、なかから大きな音が!


「チャラららららラン、ダダだだだだダン」。。。ジュディオング、魅せられて。。。


ウメダくんは、授業中に抜け出して、うんこ便所で「魅せられて」を聞いていたんである。僕たちはビックリして教室に逃げ帰った。その話がまわりまわって女子の耳に入り、学級会でウメダくんは糾弾された。

女「学校にテープレコーダーを持ってくるのは、よくないとおもいます」

そういう問題ではないとおもうんだが、その後もウメダくんは授業中に消えてしまい、3ヶ月ほどの短い期間でどこかに転校していった。。。あのクラスの全員、30年経ってもウメダヒデキを忘れていない。