アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

萬福食堂の焼豚らーめん

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急逝した友人の墓参りをするために、実家のある倉敷に帰ってきた。

いつもなら「百万両@倉敷市」の懐かしいラーメンを食べるのだけど、今回は別にお目当ての店があった。倉敷青陵高校から茶屋町駅に向かう道沿いに位置する「萬福食堂@倉敷市」である。

国道2号線から倉敷市街地方面に折れる。そう広くない道を進むと、左手に「萬福食堂」の赤い手描き文字が飛び込んでくる。駐車スペースに滑り込ませて、店の前に立つ。

僕「聞きしにまさる店舗」

昭和レトロ全開、色褪せた暖簾、どうなっているのかよく分からない風化した入り口。しかも店内が外から見えないので、ディープなさぬきうどん屋を巡った僕も、戸を開けるのに勇気が要った。

店内は4組の「こおばしい」客で満席。

肉体労働者風のにいちゃん、常連らしきオッちゃん、サラリーマン、そして謎の夫婦。夫婦の席に相席させてもらう。旦那さんは新聞片手におでんをつまみながらビールを飲んでいる。おばちゃんはラーメンをゆっくりとすすっている。

「焼豚らーめん」を注文して、店内を見渡す。神棚も品書きも業務用のエアコンも長年の油で茶色に変色していて、外観からの期待を裏切らない。「人気歌手Gacktさん来店」の張り紙も。

ほどなくしてラーメン登場。百万両、丸福に通じる、まさしく倉敷のラーメンだ。一杯ごとに軽くゆでるもやしが、しゃきしゃきとして良い。塩分が高めの醤油だれと相性が最高。麺は細めのストレート。焼豚はとろとろで量も多く、大盛りにしなかったのに満足のボリューム。

働く人のための、日常のラーメン。倉敷のラーメンのレベルの高さを証明する味。店の戸を開ける勇気さえあれば、昭和40年代の雰囲気の中で、こくのあるハイレベルなラーメンを食すことが出来るのだ。