家系ラーメン、高松家。
妻の実家のすぐ近くに、気になるラーメン屋がある。
もう開店して何年も経つのに、その店の前を何度となく往復しているのに、気になりすぎて気にならなくなってたんである。それはあんまりだ、ただのひとくちも食べることなく、その仕打ち。
そもそも高松で「家系ラーメン」て聞いたら、まず「ほんまかよ」と疑うのが筋だろう。
家系ラーメンは言わずと知れた、いやもしかしたら知らない人がいるかもしれないので、簡単に説明すると、横浜の吉村家を源流とした屋号を「~家」と称するラーメン屋の総称。
で、調べもせずに疑っていたのである。麺料理にシビアな高松。有名ラーメン店を擁するテーマパークにあまり人が入らず縮小傾向にある。そんな土地柄で、何年も続いている店は本物?
日曜日の午後3時、讃岐うどん有名店の多くが店じまいしている時間帯。突然の豪雨に見舞われながら店に駆け込む。店内のカウンターには5割ほどのお客。食券を購入する。
ラーメン中盛りの食券を大将に渡すと「なにかラーメンにお好みはなかったですか?」と聞かれたので、少し慌てて「あ、っと、じゃ麺固めで」とだけ伝えた。
なるほど、麺の茹で加減、味の濃さ、脂の量をコールできるのか。
しばらくして饗されたラーメンには、健康的なゆでほうれん草。もうスープから顔を出している麺は酒井製麺の太ストレート麺である(麺箱で確認)。まずスープ。。。お、うまいぞ。
ややとろみを感じるほどコクがあるトンコツ醤油。ストレート麺はそんなに長くない独特のサイズ感。この味は高松ではそんなにお目にかかれない、長続きする理由が分ったような気がする。
なんだか、長年の宿題を終わらせたような優越感で、豪雨のなかを帰るのであった。