アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

高橋留美子展、なのだ。

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高松市美術館で11月1日まで開催されている「高橋留美子展」に行ってきました。

ま~ただの原画展でした。美術館の企画展でやる理由がわからん。いっときますけど、僕は「高橋留美子」自体は嫌いじゃないからね。隔週発売のスピリッツで「めぞん一刻」を楽しみに(立ち)読んでましたから。

印刷された漫画を読んでた人にとっては、その原稿はみごたえあります。描いてんのかと思ってたら、紙を切って貼ってるとかね。印刷ではみえないホワイトの修正とか。。。そういうのはいいんです。

それだけか、と。

美術館でやるなら、サブカルチャーカウンターカルチャーの文脈で語る方法を考えなきゃ。そういう境界が曖昧なのは承知の上。ドラえもん展スターウォーズ展もみたけど、あれは楽しめましたよ。

今回の展覧会は、集客優先で美術を語ることを放棄しとるだろ。それがいかん。

原画はまだしも、作家所有の関連グッズ(犬夜叉関連の贋刀、1ポンドの福音関連のボクシンググローブなど)、めぞん一刻・管理人室の再現とか。。。アニメも日替わりで上映されてて。大量のグッズ販売。

そりゃ、客はくるでしょう。でもデパートの催し物会場に来る客となんにもかわんない。ま、松屋銀座からスタートした巡回展ですから、仕方ないのかも知れないですがね。

楽しみにしていた図録もね…う~~んです。

作家の体温が唯一伝わってくる原画のよさが、ふつーに修正して印刷しちゃだめでしょ。原画の複製じゃなくて、印刷物の複製と変わんないじゃん。。。作品の年表はあっても、作家のデータや作家論などもなし。。。

そもそも高橋留美子が自分を一生懸命に隠して、キャラクターだけ前に立たせようっていうスタンスなんだから、美術展になんないです。ブルーナに肉薄したミッフィー展とは雲泥の差。

グリグリっと作家性に迫るのが、本来、キュレーターの仕事だと思うんですがねえ。