アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

讃岐うどんの条件

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讃岐うどんブームのおかげで、全国のうどんレベル向上と低価格化がすすんだのは間違いない。

ほんの10年前まで、うどんといえばコシのない茹で置き麺があたりまえ、たまに茹でたてを食べさせる店があっても、民芸調の店作りで価格は和そば並みの値段。。。という状況だったのは記憶に新しい。

もともと粉モノは原価が低いので利益率が高い。しかし、民芸調や日本家屋風の店舗には初期投資がかかるし、客単価を上げるために具材を増やせば廃棄コストがかさむ。だからうどん一杯が高くなる。

讃岐うどんブームの中核を担ったのは、セルフや製麺所型のうどん屋だった。

なんの変哲もない一般食堂風の店舗、具材はおにぎりと天ぷら、玉切れ即閉店、客が自分で配膳するので従業員は最小限。初期投資も廃棄コストも低いので低価格が可能。だから回転がよく、結果的に茹でたての美味いうどんが出せる。

全国に「讃岐うどん」を標榜する店が増えた。

でもちょっと待てよ。香川県とは縁もゆかりもない資本系や個人事業主が「讃岐うどん」を謳うのは、どうも納得がいかない。そもそもなにをもって「讃岐うどん」といっているのか。

そういう店が「讃岐うどん」を謳うことに法的なしばりはなにもない。つまり、お店が「讃岐うどん」だと言っちゃえば、縁もゆかりもないブーム便乗でも問題はないんである。

佐世保バーガー富士宮やきそばなどなど、ご当地グルメ資本力のないところで様々な取り組みを経て、他県から客を呼べる名物になった。そういう労力をすっ飛ばして、商売に利用されても文句は言えない。やったもんがち。

日本てほんとにいい国ですね。笑)

唯一、「名物」「本場」「特産」と名乗る場合には、香川県内で製造され、加水率や食塩比率、熟成時間などが制限される。(生めん類の表示に関する公正競争規約及び公正競争規約施行規則)

本場って、書かなきゃいいんじゃん。笑)

でもね、「讃岐うどん」って看板に書いてあったり、キャッチコピーにしていたら、消費者はどう思う?まさか「讃岐に縁もゆかりもないうどんだろう」と思って食べないでしょ。つまり、「讃岐うどん」の表示があれば、なんらか本場とつながりがあると考えて食べるんじゃないですかね。

それってどうなん? 消費者庁よ。

たしかに線引きは難しいね。どこまでを讃岐うどんと呼ぶか。だから、僕的に「ここまでは許せるかな~」ってとこを書き出して整理してみる。

1)香川県下のうどん
これは「讃岐うどん」でしょうね。認めたくないほど、まずい店はあるけど。

2)香川県製麺したうどんを出す店
これもいいとおもいます。ただ管理がよくないとグダグダの麺だったりしますがね。

3)香川県で修行した大将の店
これも基本的には「讃岐うどん」ってことでいいんだけど、修行の程度によるよね。うどんは年間通じて温度と湿度の影響をモロにうけるから、最低1年は修行しておいていただくと僕的には安心。

4)大将が香川県出身
このあたりから怪しくなってくる。笑)修行したわけではないけど、香川出身です、みたいな。ただね、確かに中讃地域のおうちでは自家製手打ちうどんをつくる習慣があるから、そういった環境で育ったんなら「讃岐うどん」で問題ないかもね。

5)讃岐うどん巡礼がこうじた大将の店
このタイプの個人経営のうどん屋は全国にあまたあるが、僕は基本的に「讃岐うどん」とは認めません。たんに「うどん」でいいんじゃありませんか。

6)讃岐うどん特有のメニューを出す。
うどん自体は関係ないが、釜あげや釜たま等、讃岐うどん特有のメニューを中心にしている店。。。正確に言えば「讃岐風うどん」である。「うどん屋」が「釜あげ・釜たま」を出すんなら真っ当だが、「讃岐うどん」を名乗って出すのはやっぱり違うんじゃない?

7)セルフ形式などの店舗スタイルが讃岐風
これは「セルフうどん」であって、「讃岐うどん」ではないわな。僕が子どもの頃には岡山県のいたるところに「セルフうどん」や「100円うどん」の店はあった。わざわざ「讃岐」というのは便乗です。

8)一般店かつメニューもゴージャスで、うどんもスタイルも大将も讃岐と関係なし。
讃岐うどんって書いた既製品ののぼり旗がパタパタ…みたいな。潰れてしまいなさい。

と、ほかにもありそうだが、こんなとこにしておこう。とどのつまり、僕が言いたいのは、意図的に消費者が勘違いすることを狙って商売するのはいかんだろ、ということ。

どうですかね?