フォー・ガー、Jeepさんハノイへ行く④
さて、8月のハノイは雨期にあたります。気温は32度ほどで日本と変わらないのですが、湿度が85%~90%とべらぼうに高い。そこに1日一度は雨が降ります。もう風呂の中を歩いてるのと変わらない。
その上、滞在三日目で台風がハノイを直撃しました。
どのみち汗でずぶ濡れになるんだから、開き直って一人で街歩き。日本から持って行った傘も強風で壊れてしまいました。しかし、雨に慣れたハノイっ子もさすがの風雨に、路肩にせり出していた商品を片付け始めます。
人口700万の町に300万台のバイクがあるんですから、道はバイクだらけ。さらに信号のある交差点は少ないし、あっても信号無視は当たり前。しかも、右側通行なので道を渡るにもコツが必要。
さらにバイクばかりに気を取られて立ち止まると、観光客目当ての客引きに捕まります。「オーイ」と大声をあげるオッさんや、すれ違いざまに靴を指差して停めようとする奴など、ワラワラいます。
比較的治安が良いとはいえ、引ったくりや詐欺は多い街。カメラやスマホを持って、立ち止まっていると危ない、気がする。。。とにかく観光客の少ない場所は「歩き続ける」のが安全。
ドンスアン市場をさらに北へ歩いていくと、欧米の観光客がグッと減ってきます。
雨も強くなってきていたので、地元臭の強い道を雨よけがてら進んでいったのですが、さすがに「ちょっとここはヤバイかもしれない」ところに迷い込んでしまいました。
で、なんとか職人街に戻って安心すると、お腹が減る。
とりあえず、英語もベトナム語も話せないから、店に近寄って店員っぽいネーチャンに「一人だけど」みたいな表情で人差し指を立ててみます。そしたら「大丈夫だ(みたいな表情)」の後、「ガー?」と聞くので「ガー」って注文して、端っこの椅子に座りました。
Jeepさん、ハノイでビビりまくってます。
すると、常連っぽいニイちゃんが「おい、アロー」みたいに背中トントンして、「おめえ、こっちの良い席に座ればええやん(みたいなことを言ってた)」と交差点が見渡せる特等席wへ促されます。
Jeepさん「あ、さんきゅー」汗)
で、饗されたのが冒頭のフォー・ガーなわけです。フォー・ガーってのは、平打ちの米麺に鶏ガラ出汁、そこへ香草と鶏肉がのったもの。30,000ドン、150円ほどです。
レンゲで出汁を一口。お、美味しい!
で、店員のネーチャンが近くにライムや唐辛子などの調味料を寄せてくれ、なんか嬉しい。フォーは調味して好みの味で頂くのがハノイ流。僕は唐辛子一択って感じでしたね。
味は想像以上に優しい鶏ガラ出汁。これは日本人も大好きな味です。そこに香草の香りがのっかってくるので、やはりパクチーが苦手な人は気になるかもしれません。
僕は大丈夫でした。これが強くなるとダメかもなーって想像はするんですけど、薬草クサイのばかりじゃなくて、清々しい香りの香草も入ってるし、味の優しさと香りの複雑さがうまい具合にマッチしてるんですね。
麺は茹で置きが基本なので、讃岐うどんのようなコシはありません。柔らかくして食べる麺なのです。それでも持ち上げて切れることもなく、美味しくいただけます。
あ、そうそう。ホテルの朝食バイキングでもフォー・ガーを食べましたよ。
旧市街のいたるところにフォーの店を見ますが、その多くはガーの専門店でした。ハノイの人は朝が早いので、朝ごはん代わりにフォーを食べてるんですね。で、あっさりの鶏ガラ出汁が好まれるんでしょう。
ホテルのフォーも美味しかったんですが、あの路肩の店のような「勢い」はなく、観光客向けのお上品な感じでした。きっと、東京などで食べるフォーはこういう調整がされているんだろうと思います。
ホテルのお向かいに朝5時頃から準備しているフォーの店が客室から見えたのですが、驚くことに朝だけ営業して、お昼前には土産物屋になっている。フォーは地元の人用に営業して、昼が近くなると観光客用に民芸品を売ってるんです。
それほど、フォーは生活に根付いているんですね。
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