アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

ドーパミンが出る仕事、なのだ。

昨年の年末、仕事が終わらず随分苦しんでいたことをご存じの方もいるだろう。

とある家電製品に同梱される解説書のデザインだった。メーカーも担当者も不慣れだったとはいえ、年が明けても二転三転、七転八倒、あやうくデザイン料さえ取りっぱぐれるような危機的状況。なんとか最悪の事態は回避し、多くの妥協を強いられはしたものの、自分がこの世に生み出したものとして恥ずかしさはないレベルにまとまったと思う。

僕のような仕事をしていると「すきな仕事ができて良いですね」と言われる。

たしかに好きな仕事ではある。でも、贅沢なんだろうが、微妙~にやりたいこととズレていたりする。僕はもともと、書籍や雑誌のデザインを専門にしてきた。働いていたデザイン制作会社も、聞けば誰もが知っているヴィジュアル誌や女性誌を制作している。

退職する間際まで担当していたのが、たまたま初心者向けのコンピュータ雑誌(休刊中)だった。その頃の知り合いに腕を買われて依頼されるのが、コンピュータや家電製品の解説書。かなりストイック(禁欲的)な媒体だし、バッチリ決まったヴィジュアルもあまり必要とされない。それよりも、建築物のように企てられた解りやすさのほうが重要だ。

自分のやりたいことをやる、という若者も多い。

やりたいことがあることは大切だ。だけど、自分がやりたい事と他人から求められることは微妙に違うのだと思う。本当は他人から求められる事のほうが、自分に向いているのかもしれない。そう考えて仕事をする。でもね、卒業制作の時のように、作っていてドーパミンが出るとこまではいけないんよね。

さて、くだんの七転八倒の仕事をふってくれたエディターが、申し訳ないと言うことで僕の好きそうな仕事を用意してくれた。とある(←またかよ)文化施設の企画展示のポスターやリーフレット。あんまりお金はでないけど、好きですよ、こういうの。

で、今日一日ずっと作ってました。久しぶりにドーパミンが出ましたよ、脳内麻薬。