フレットの打ち換え【その1】
マイフェイバリットなギター、Collings OM2Hがオーバーホールから戻ってきました。そのご報告です。
まず、工房の点検ではフレットの摩耗以外に問題はないとのことでした。
そこでフレットの打ち換えを依頼し、ほかに1弦がナット付近で切れやすくなっていること、そしてギリギリの弦高設定なので変速チューニング時にもう少しハリが出るようにしたいと伝えました。
フレットというのはギターの指板に打たれた金属のバーのことです。押弦したときに弦があたって振動が止まり、音程が作り出される大切な部品です。これは長年使用していると、弦があたる部分が摩耗して凹んできます。
だいたい1弦から3弦、2フレットから7フレットが摩耗します。
摩耗がはげしくなると、例えば7フレットを押弦したときに8フレットに弦が接触して、音のビビリが発生します。押弦したときの弦長も変わっていきますから、摩耗につれてピッチもずれてきます。(←音痴になるってこと)
それを解消するにはフレットを「すり合わせる」か「打ち換える」かしなければなりません。
すり合わせというのは、摩耗しているフレットと元気なフレットを紙ヤスリなどで削って、摩耗している高さに全てを合わせてしまう処置です。
すり合わせではフレットが低くなりすぎて対処できない場合には、打ち換えになります。
フレットは指板にミゾを切り込んで、くさび状のものを打ち込んでいる格好です。これを全て抜いて、新しいフレット打ち直していくわけです。写真1が抜かれたフレット。写真2は指板に打ち込まれる部分の拡大。
フレットが新品になると弦との距離が近くなるわけですから、そのままでは弦高が若干低くなります。
もともと弦高が高いギターはそれでよいですが、僕はギリギリの調整をしていたので、ナットを交換して少しだけ弦高を上げてもらったようです。写真4が取り外されたナットです。
戻ってきたギターケースのなかに、外されたフレットとナット一式が入っていました。
ん~~歯医者に行って、抜いた歯をもらってきた気分です。