アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

塗装のトラブル

ギターの塗装自体が変質するトラブルがあります。
これも振動(鳴り)を重視したラッカー塗装に多くみられます。

色白美人だったギター君も、10年も経てば黄色味を帯びて、
ゴールデンな美人に成長するのでございます。

ポリウレタン塗装のギターには、ほとんど変色は起こりませんし、ここで紹介するような
トラブルは起きないと思います。ポリ塗装の場合は、表面に汗や脂がつくことで曇る程度。

ラッカー塗装が経年変化で黄色くなるのはごく自然なことで、心配するようなことではな
いです。お~~君も大人になったんだねって、赤飯炊いて喜んじゃってください。

ナチュラル・カラーのJ-200なんぞは、ボディも黄色味を帯びていきますから、全体が金色
っぽく見えて大変綺麗です。カスタム・ショップ製のJ-200には、わざとこの色を再現して
いるモデルもあるくらいで。

【部分的変色】
さて、問題は部分的に塗装が劣化して変色するケースです。絶対に避けたいのは、ギタース
タンドの接地面がゴム製のモノ。3年もすれば明らかにほかの部分より黄色くなってしまい
ます。また、ゴム自体が劣化して粘着性を持ち、塗装についてねちゃねちゃになることもあ
るので要注意。

このようなギタースタンドには、ふわっとした毛っぽい生地のスタンド・ブラっていうのが
あるんで、つけてあげましょう。

ただし、ブラつけても変色します。経験済み。神経質な人はスタンドを使わない方がいいかな。

【くもり】
汗&脂&手クソ(まっ、お下品)によって、塗装面が曇る。僕なんぞ身体はたいして汗かかな
いのに、手は汗っかき。しかも、嫁もビビるオイリーな手ですから、ちょっと触れば曇っちゃ
います。これは、弾き終えたら「から拭き」をマメにするしかないですね。
僕はそこまでやりません、曇ってもまあいいかってなもんで。だって、拭いた直後にまた触り
たくなっちゃうんだもん。

拭いたほうが良いですよ、本当は。僕は弦を交換するときに綺麗綺麗にしてあげます。
なるべく研磨剤が入ったポリッシュは使わない方がいいです。そのためにはマメにね、拭きま
しょう。たま~~にポリッシュを使うと、たまっていた汚れが浮いて、逆に激しく曇る場合が
ありますんで。

20年選手にもなれば、調整のついでに「バフ掛け(高速回転する布による磨き加工)」しても
らえば綺麗になりますよ。

【塗装内側からの曇り】
これねぇ~、チェッキングが激しいオールド・ギターに起こるんです。ボディ側の身体が当たる
くびれた部分なんかに。汗や水分が入っちゃうんでしょうね。板と塗装の間、つまり塗装の内側
が曇ってしまう現象です。表面の手あかによる曇りと違って、拭いても取れませんし、本当に白
くなります。僕の場合は、そのままにしておけば消えてしまいましたが、残っちゃうこともある
のかな?

【最悪の劣化】
塗装の最悪な劣化。希に塗装自体に粘りが出てくることがあるらしいです。ほとんどがネック部
分にでます。こうなると塗装を剥がしてしまわなければなりません。なんでこうなるのか、有機
溶剤系の研究者に研究して欲しい。だって、全部がそうなる訳じゃないから。なんか、その所有
者の手のひらから分解質の汁が出てるとしか思えん。
マメにね、ネックを拭いてあげましょう。その「汁」が塗装に浸透しちゃう前に。