アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

僕は絵描きなのか?なのだ。

よくわからんタイトルになってしまったが、ちゃんと説明するから。

僕は印刷物のデザインが専門のデザイナー。…あんまり自分のことを「デザイナー」と言いたくないんだけど、ほかに言いようがない。僕は小学校の先生になるために教育学部に進学した。遊び人だったから一番偏差値の低い領域を受験したら、それが美術だった。

カタカナ商売ほど胡散臭いものはない。デザイナー、アナウンサー、プロデューサー…もうなんか肩書きだけで生活してそうじゃない? 高校生の頃の僕は、そんなふうに考えていたんですよ、マジで。

ところがデザインの授業は、地味!地道!緻密!。そんなところが大好きになって、この仕事に就いてる。

両親は「デザイン」といっても僕が何を作っているのか見当がつかない。東京のデザイン会社でマガジンハウス系の編集デザインをしていた頃、「雑誌を作ってる」って説明するととりあえず納得するんだけど、文章を書いてるわけでも写真を撮ってるわけでもないと知って、また解らなくなるらしい。

全体の構造を整えて、文章や写真やイラストのサイズや配置、文字の種類や色彩、製本方法や紙質によってイメージを仕立てる。ってことを説明するのはなかなか難しいのだ。

さて、このまえ。

幼稚園に上がる前からの幼なじみ「みゆきちゃん」から電話があった。聞けば、息子が中学1年生になり、美術の試験があるから力を貸して欲しいという。最近はテストの内容が前もって公表されるのだそうだ。

問題:谷川俊太郎の詩を読んでイメージ画を描きなさい。

どんな絵を先生が求めているのかわからないから、僕に描いてみてくれないかという。おいおい、もう20年近く絵は描いてないんですけど。と、いうのが「みゆきちゃん」にはわからない。デザイナーは毎日、絵を描いてると思ってるんだろう。もう描けないよ、って言ってみたがチンプンカンプン。しょうがないから描いてみた。同業者には絶対みせれない絵ができた。「昔取った杵柄」ってなんだ?

さて、昨日。

みゆきちゃん」からメールが来た。息子の試験の結果が出たらしい。美術、95点。すばらしい。
っつ~か、僕、いらなかったんじゃないの?