アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

Ovation型

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アセテートセルロイドのシートをトップ板に張り付けてあるのが
いわゆるピックガードですが、Ovationのものは独特です。

オベーションといえば真ん中にあるはずのサウンドホールがなく
サウンドホール仕様のモデルもある)、トップの肩口に幾つもの
穴が空いているのが印象深いですね。

その穴の周りには着色された寄木によるエポーレットが施されていて、
ついついそこばかり見てしまいます。

写真はAdamasです。
エポーレット下の反射光が変わっている部分、おわかりになりますか?
これがOvationのピックガード(のようなもの)です。

トップ表面にもカーボングラファイトによる加工が施されていますので、
本質的にはアセテートなどのシートを貼ることに意味はありません。
ですから、塗装の時点で傷がつき難くしてあるのが、オベーション独特の
ピックガードなわけです。

写真左は70年代のアダマスで、もともと水色とブルーのグラデーションです。
経年変化によってピックガードの部分に黄味がかった変色があらわれています。

純粋なアコギではないのになぜ取り上げたかというと、
僕的にはこの形状が大変魅力的だと思うからです。

よく見るとセミの羽根のような形状は、他社の影響を受けない、あまりにも
独自な、オリジナリティ溢れるデザインだと言えます。
それがボディやエポーレットのデザインと相まって、独自の世界観を
構築していると思います。