老舗の中華そば,浅月。
母親の一周忌も無事終わり,帰省中,かみさんが岡山市内で所用があるという。
恩着せがましく言ってますけどね,倉敷の実家から岡山市内まで40分程度。たいした距離じゃない。問題は妻が「所用」を済ます3時間もの間,何をして待っていれば良いか,ということである。
で,老舗のラーメン屋をハシゴした。
岡山の人ならピンとくるだろう。岡山駅西口の路地裏に向かい合って立つ2軒の老舗ラーメン店「浅月@岡山市北区」と「冨士屋@岡山市北区」である。この立地と人気の高さは京都の「新福菜館」と「第一旭」に似ている。
店の前まで来ると「冨士屋」の店先に一組の待ち客,「浅月」はすぐには入れそう。
狙って訪れたのは「浅月」だから,そのまま迷いなく入店。店内はほぼ満席で,店奥の座敷に上がって相席となる。注文したのは基本の「中華そば 680円」。
で,隣の常連らしい二人組みのサラリーマンが「向かいの店とどっちが美味しい?」などと興味深いことを話してる。この状況で「向こうの店」と答える奴は,いずれにしても人の上に立つことはできないだろう。
期待の答えは「行ったことない」という,まさかの解答。
そうかそうか,この老舗の2店はマスコミに取りあげられる時は「岡山ラーメンのツートップ」とか「食べ比べ」などと囃し立てられるが,案外,常連さんはどちらかにしか行かないのかもしれないぞ。
もしこれが「(向かいの店のほうが美味しいけど,この状況ではカドが立つから)食べてない」と答えたのなら,君は明日から営業部の係長くらいにはしてやってもよいな。
などと考えていると,饗された中華そば。
ありゃ,美味しい。期待以上に美味しい。醤油ダレのしょっぱさと豚骨スープの甘さが「ザ・岡山」。中細ストレートの麺はやや柔らかめだが,チャーシューの旨み,シナチクの食感などバランスが良い。
半分ほど食べ進めたところでコショウを使うと,シャキッとして良い。このラーメンはコショウに負けない系の,つまり,僕が言うところの「コショウをかけてもいい系」のラーメンである。
さて,向かいの店に行きましょうか。