アコギな雑感

麺とアコギをこよなく愛するデザイナーのブログ

百万両@倉敷市の中華そば

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岡山の最終日はいつもの「百万両@倉敷市」でシメ。

高校の頃、この店のある連島近辺に友人が多かったため、みんなで自転車で乗り付けては中華そばを一杯食うのが楽しみになっていた。僕にとってはそういう特別なスパイスもある百万両の中華そば。

ご存じの通り、倉敷いやさ岡山を代表するラーメンの一つになっている。

スープは鶏ガラと煮干しをベースにしたシンプルでコクのある醤油。麺は細めストレートの自家製麺で、スープに馴染みやすく、また伸びやすい。チャーシューは脂身が少なめの薄切り肉が5,6枚。シナチクも美味い。適度なネギがスープを飽きさせない。全てにおいてバランスがとれた一杯である。

この店には「中華そば」しかない。

餃子もあるのだけれど、これは一時期フランチャイズ展開を試みたときに加わったもので、僕にとってはどうでもいい。麺の大盛りも注文できないので、この店独自のシステムが可能になっている。

客は入店すると、セルフで水を汲み、レンゲが欲しければそれも取っておく。厨房には常時20杯ほどのドンブリが並べられていて、醤油ダレと化調を入れて準備してある。麺上げのチーフ(数人で交代制)が入店客を数えて、ドンブリにスープを投入。入店客が落ち着いたところで、麺茹で開始。

1分少々で平ザルと割箸(割らずに棒状のママ使用)を使って麺をあげる。数人の店員によって具材が盛られていき、チーフの指示で入店順に中華そばが配られていく。…つまり、客は注文せずとも入店すると一杯の中華そばが饗されるというわけ。

平日の中途半端な時間に行っても、客は途切れることがない。

それでも回転が速いので時間さえ考えれば、そんなに待つことはないと思う。場合によっては、やっと座れた!ということもあるけれど、そんなときはほぼ座ると同時に中華そばが出てくるから嬉しい。

平ザルを使った湯切りであるため、待ち客が多いタイミングで行くと麺が柔らかめになってしまうこともある。この店で通っぽく「麺固め!」という客は、百万両ビギナーである。なぜなら複数の客がいるとき、ほぼ無視されるからだ。ま、どの店でもかたさ調整してもらえると思い込んでいるマニアがいけないのだが。

目の前に運ばれた1年ぶりの中華そば。ちょっと客が多くて麺は柔らかめ。だけど、おいしい。

食べ終えたら、カウンターに小銭がバラバラと置いてあるので、自分で釣り銭をとって店を出る。店から右手に出てT字の交差点「大梵」を右に折れれば、倉敷方面に帰れる。そう広くない道も、このあたり特有の地名を探して、笑いながら帰路につこう。

大梵→宝島寺→ヤットコ。……ヤットコって。